扶養控除の異動申告書の書き方の説明です。
保険料控除の申告書とは違い、一部を除き添付書類がないので、総務経理担当者はこの書類で扶養家族への適用の可否を判断しなくてはなりません。
とても重要な書類なので、従業員の方にわかりやすく書き方を説明する必要があると思います。
また、令和元年末に回収した担当者の方!!「ひとり親」については手書きの訂正が必要です。
このひとり親の訂正方法も解説します。
給与所得者の扶養控除等申告書の書き方、記入例

提出のモレをチェックする意味でも扶養家族がいない人にも提出してもらいましょう。
(というか、そもそもこの申告書の提出がない人は年末調整できません)
書き方は上の通りですが、よくある間違いは次のような点です。
- 所得と収入を誤解しているケース。
- 16歳未満、以上の子供記入箇所の間違い(年少扶養の扱い)
- パートアルバイトで2か所以上勤務があるのに出してきているケース(年末調整できません)
給与所得者の扶養控除等申告書の注意点-1-所得控除の変更
扶養親族の所得金額が48万以下と引き上げられました。
令和元年と異なるので注意が必要です。
法律上の細かい点は下記国税庁のHPをご覧ください。
各種控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等の改正(令和2年分以降)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/henkou.htm
給与所得者の扶養控除等申告書の注意点-2- 「単身児童扶養者」の項目追加
<単身児童扶養者について>
・ 今年から「単身児童扶養者」の項目が追加されています。児童扶養手当証書番号が不明な場合は各市区町村にお問い合わせる形でお願いするのがいいと思います。
・ 意味としては、【単身児童扶養者】は、令和2年中の所得の見積額が48万円以下の児童について児童扶養手当の支給を受けている当該児童と生計を一にする父又は母のうち、婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含みます。)をしていない者又は配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)の生死の明らかでない者です。
・ 寡婦との違いは「未婚」でも児童手当受給していれば該当します。(寡婦は1度婚姻が条件となります)
給与所得者の扶養控除等申告書の注意点-3-寡婦(夫)控除の見直し、「ひとり親控除」の新設
「寡婦(夫)」、「特別寡婦」の二つが「寡婦」、「ひとり親」に変更されました。
「特別寡婦」は廃止。
この「ひとり親控除」は令和2年新設され、定義は次の通りです。
居住者がひとり親(現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、次に掲げる要件を満たすものをいいます。)である場合には、ひとり親控除として、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から 35 万円を控除することとされました。
(イ) その者と生計を一にする一定の子を有すること。
(ロ) 合計所得金額が 500 万円以下であること。
(ハ) その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の者がいないこと。国税庁HPより
要するに、男女での控除額を均等化し、結婚してるか、してないか、は条件としない形となりました。
令和2年末に出してもらった人は訂正が必要
令和2年でこのひとり親が新設されたので、令和2年に配布した用紙は訂正が必要となります。
訂正の仕方はこのような感じです。

実務的には令和3年の用紙を回収してひとり親にチェックが入っていたら、令和2年分を訂正してもらう流れですね。
令和2年の変更点は「2020年(令和2年)年末調整、昨年からの変更点まとめ」をよかったら見てくださいね